とちぎの百様

がいこくたいしかんべっそうぐん(にっこうちゅうぜんじこはん)さま

外国大使館別荘群(日光中禅寺湖畔)

明治時代から夏は各国大使達の憩いの場

「夏は外務省が日光に移る」とまで言われた、国際的避暑地の魅力。

 明治中期から昭和初期の頃、欧米各国の大使館や外交官の別荘が立ち並ぶ中禅寺湖畔には、外交官をはじめ多くの外国人が避暑に訪れておりました。訪れた外国の方々は、中禅寺湖で魚釣りや船遊びなどを楽しみ、地元の人々との交流も盛んに行なわれ、まさに国際的避暑地としての名声をほしいままにしていました。
 
 その歴史を今に伝える建物のひとつが、「イタリア大使館別荘記念公園」です。昭和3年、イタリア大使館の別荘として建設され、歴代大使が平成9年まで使用しておりましたが、その後、栃木県が取得し、修理・復元を行い、一般公開されています。美しい内外装は、日光市の職人によって杉皮張りの多様な装飾が施されており、大きな窓からは歴代大使が「世界一」と称した、表情豊かな中禅寺湖の風景を一望することができます。
 
 さらに、平成28年に一般公開予定の「旧英国大使館別荘」は、中禅寺湖畔に現存する大使館別荘としては最も古く、明治29年に、駐日英国公使のアーネスト・サトウが中禅寺湖東岸に建設した別荘を増改築し、平成20年頃までイギリス大使館が利用していたものを、栃木県が平成22年に取得しました。
 
 時を超え、今の私たちに優雅な避暑生活の一端を垣間見せてくれる中禅寺湖畔の歴史的建造物たち。これらに赴き、味わい深い奥日光の魅力に触れてみてはいかがでしょう。