とちぎの百様

ほんばゆうきつむぎさま

本場結城紬

ユネスコが認めた軽くて温かい、全ての工程(こうてい)を手作業で行う絹織物

江戸時代より高級織物として名声を博してきたのです。

 ふわっと軽くて柔らかな独特の手触り。それでいて、大切に着れば三代着られるといわれる丈夫さ。えぇ、わたくしこそが、国の重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産にも指定されている絹織物の「本場結城紬」でございます。
 
 小山市から下野市付近まで、茨城県側では結城市周辺までが産地となります。小山市の東部、鬼怒川に面した地域は、古くから養蚕が盛んで、その副産物として紬が織られるようになったのです。かつて鬼怒川は、“絹川”とも呼ばれていたのでございますよ。
 
 そしてわたくしは、なんと全工程を手作業でつくられるのでございます。真綿から手で糸をつむぎ、柄をつくるために綿糸でくくり、「地機」という最も原始的な織機で織り上げる─それには熟練された職人の腕と、長い時間が必要でございます。それゆえ生産量は限られ、非常に貴重で高価な紬となっているのでございます。
 
 江戸時代より高級織物として名声を博してきた「本場結城紬」を、ぜひ現代の方にも愛していただきたいのでございます。一度手にしていただければ、きっとわたくしの魅力がわかるはず、と思っております。